Anatomy and activity patterns in a multifunctional motor neuron and its surrounding circuits | eLife (2021)
Mária Ashaber, Yusuke Tomina, Pegah Kassraian, Eric A Bushong, William B Kristan, Mark H Ellisman, Daniel A Wagenaar
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DE-3(motor neuron)
手法:
神経系の研究では単一の機能をもつ神経に注目されがち
一方で、多くの神経は多種類の感覚入力を受け、多数の行動に関与している
例えば、多数の経路が一つの運動神経に収束して全く異なる行動を誘導する回路が存在する
どのような機能的・解剖学的な側面により、このような単一神経による多様な出力が実現するのか???
swimming, crawling, local bendという全く異なる行動でDE-3という運動ニューロンを共通して使っている
DE-3は背側の縦に走る筋肉の制御をしている
Naa_tsure.icon左右に一対ある?多分
制御の違いをあげると、
Swimming: 腹側の筋肉を制御するVE-4と交互になるように2Hzで振動して遊泳リズムを作る
Crawling: VE-4と同期するように活動し、這う行動のリズムを作る
local-bending: 反対のペアとVE-4と共同して、刺激源を避けるように体を曲げる
Naa_tsure.icon片側で収縮して、反対側で伸びる感じかな?
では、この多機能を実現する回路の根底にある仕組みを理解するためにはどのような記録が必要か?
理想的には、回路に関わる全ての神経の活動とその解剖学的な接続が分かればよいはず
前者にはイメージング、後者は電子顕微鏡を用いれば実現可能
ここでは、一部の神経節のみでもfictiveな行動を確認でき、多細胞膜電位イメージングが可能なヒルを選択
Naa_tsure.iconヒルでは神経節の表層に比較的大きな細胞体が一層で並ぶのでイメージングがしやすい
Naa_tsure.icon感覚入力から運動への出力まで一つの神経節で記録することができる
Naa_tsure.iconでも、細胞体のシグナルと神経突起におけるシグナルが全然違うのは無脊椎あるあるなので正直怖い
実験の概要
膜電位イメージングで多細胞の神経活動を記録し、SBEMでその形態と接続を記録している
https://scrapbox.io/files/64624e92e8bf9c001b737046.png
https://scrapbox.io/files/64631542de5fd5001b24cfdf.png
Naa_tsure.icon神経節の裏・表の細胞体の同時膜電位イメージング、ここ以外で見たことない
Fig-CはSwimming時の位相とシグナルの大きさを表しているが、DE-3とVE-4が逆位相なのがわかる
Naa_tsure.iconイメージングってシグナルの大きさを細胞同士で比較することに意味はないような・・・
https://iiif.elifesciences.org/lax/61881%2Felife-61881-fig2-v3.tif/full/1500,/0/default.jpg
これは、Crawling時の各細胞の位相を比較している。
先行研究にあった通り、DE-3とVE-4は同期して活動しており、Swimming時と明らかに異なる
https://scrapbox.io/files/646316eaa5bf00001cf44365.png
こちらはLocal bending、逆位相ではないがDE-3, VE-4共にペアとなる神経と異なる位相を示している
Naa_tsure.icon120°ぐらいの位相の違いがある
https://scrapbox.io/files/6463176fbfd1ae001bca4a4d.png
次にSBEMを用いてDE-3の形態、そしてDE-3に入力するシナプス前神経の形態を記録した
https://scrapbox.io/files/646319fd3f7ec1001c3f61d8.gif
ここから形態から分かる情報と神経活動の関係を調べていく
Naa_tsure.iconシナプスの数が多いほどシナプス後神経に影響を与えるのはとても直感的
https://scrapbox.io/files/64631a8a11fe5c001cbc463d.png
次に、興奮性・抑制性シナプスの配置に特徴があるかどうかを調べたが、特に明らかな特徴は見つからなかった
今度は、DE-3にシナプスするニューロンをそれぞれ3つの行動のどれかに分類して、シナプスの空間配置を調べた
しかし、この細胞内のシナプスの空間配置に特徴的な配置は見られなかった
Naa_tsure.iconこの振り分けではなく与えている影響の大きさみたいな分け方が出来れば結果が変わるかも
https://scrapbox.io/files/64631ca0172869001cfa6907.png
このことから、一細胞のスケールではなくシナプスレベルでの制御が行われている可能性がある
これを検証するために同期して活動するシナプス同士が空間的にクラスターしているかを調べた
SwimとCrawlで同期しているクラスターのサイズを比較してみると、明らかにSwimの方が大きいことがわかる
Naa_tsure.icon入力の位相も同期してるものと逆位相のものが明らかに多いように見える
https://scrapbox.io/files/64631f939d4874001bd7b36b.png
このクラスタリング解析の自由パラメータ推定をそれぞれの行動で行ってみると、
実際にSwimの方がCrawlよりクラスターの(許容)サイズが大きいことが分かる
Naa_tsure.iconしかもトライアル間でも類似して見える
https://scrapbox.io/files/6463207998b211001b88384d.png
以上のことから、
単一ニューロンにおける異なる出力は、シナプス配置に関する異なるパラメータによる支配を受けていると考えれらる
Naa_tsure.iconlocal bendでは上手く行動に対応するパラメータが見つからないのはなぜだろう?
Naa_tsure.iconそこまで精密に制御された行動ではないとか?
その他
Naa_tsure.iconDE-3の出力サイトがどこにあるのかが知りたい
Naa_tsure.iconこのシナプス入力の統合過程までみれば、何が多種類の出力に何のパラメータが重要か検討できるのでは???
Naa_tsure.iconPassiveに扱えるほど単純ではないとは思うけどけど、
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memo
Naa_tsure.iconえ!?
However, cross-identification of neurons between EM and functional imaging in this approach is ultimately limited by the fact that all nervous systems, even the simplest ones, exhibit considerable variability in their connectomes
Naa_tsure.icon大脳の研究だと、コネクトームよりシワの方が活動の相関を説明できるって話があったな
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